一般社団法人日本災害看護学会第27回年次大会

大会長挨拶

一般社団法人日本災害看護学会第27回年次大会

大会長 長田 恵子

一般社団法人日本災害看護学会第27回年次大会開催にあたり

この度、日本災害看護学会第27回年次大会の大会長を務めさせて頂きます東京医療保健大学立川看護学部の長田恵子と申します。

本年次大会は「災害における看護の汎用性」をテーマとして、2025年9月6日、7日に、国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区代々木)で、開催することになりました。

東京の地での日本災害看護学会年次大会開催は10年ぶりとなります。現在、首都直下地震への備えが進められている中、折しも阪神淡路大震災後30年の節目ともいえる時でもあります。阪神淡路大震災から日本の災害対策は大きな変革を遂げています。東日本大震災における複合災害、各地での大規模地殻変動、気象変動に伴う水害など数々の激甚災害からその都度教訓を得て、また技術革新による様ざまな方策やSDGsの取り組みから災害への備えは培われてきてはいます。その一方で、新興感染症の発生は社会に大きな課題を残しました。医療提供体制の在り方、人材育成において、災害の備えの脆弱さが露呈されたことは否めません。今、私たちは30年前をはるかに超える、未曾有の危機に直面しています。

この機にあらためて災害における看護の備えを考えていきたいと思います。考えるキーワードを、看護の持つ「汎用性」としました。汎用性とは説明するまでもありませんが、応用が利くこと、広くあまねくゆき渡ることという意味がございます。看護はまさに汎用的に思考をめぐらし、汎用的に工夫し、汎用的に時・場所を問わず、対象の多様さに対応していくことができるものと考えます。これは決して吟味をせずに何もかも構わずという大雑把なことではなく、知をもってエビデンスを構築しているからこそ成せることであります。災害時のあらゆる場や状況において看護の活動を役立てていくためには知の活用が重要であるという原点に立ち、対応するということ、つながるということ、心を添わせるということ、持続するということに、看護はどのように備えていくのか、今までから学び得たこと、現在の準備性のもとに、これからのあり方を皆様とともに考えていきたいと存じます。

多くの方々に本大会にご参加いただき、闊達な意見交換と情報共有ができますれば幸いです。
日本初のオリンピックに思いをはす本会場は、新宿や原宿、渋谷に近く、癒しの明治神宮、代々木公園は散策のコースです。

緑と光あふれる神宮の杜の傍らでお待ち申し上げます。

2025年9月に向けて

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